欲しいものを見つけたとき、その場で買うか、少し置くか。
僕は、一晩だけ置いてみるのも悪くないと思っている。
欲しい気持ちには、勢いがある
ほしいと感じた瞬間は、気持ちがいちばん高いところにある。
広告の言葉や、限定という表示にも、つい背中を押されやすい。
その勢いのまま買うと、届いた頃には熱が下がっていることがある。
それ自体は誰にでも起こることで、責める必要はないと思う。
ただ、お金も置き場所も有限だから、勢いだけで決めるのはもったいない気がする。
一晩置くと、見えてくるもの
翌朝になっても、まだ欲しいかどうか。
それだけを確かめる、ごく単純な方法だ。
一晩経っても頭に残っているなら、本当に必要なものに近いのだと思う。
逆に、朝には忘れていたなら、その程度の欲しさだったということになる。
どちらでも、判断の材料が一つ増えたことに変わりはない。
置いている間に、考えておくこと
置いている間は、ぼんやり待つだけでなく、少しだけ問いを立ててみるといい。
これを買ったら、何を手放せるのか。
同じ役割のものを、すでに持っていないか。
使う場面を、具体的に三つ思い浮かべられるか。
三つ出てこないなら、買う理由はまだ弱いのかもしれない。
置くことのメリットは、お金だけではない
一晩置く習慣には、お金を守る以外の良さもある。
衝動で動かない自分を、少しずつ信頼できるようになる。
決断の質が上がると、時間も気力も無駄にしにくくなる。
比べる作業も、焦っていない状態のほうが落ち着いてできる。
僕は、メリットがあるかどうかで動く方だけれど、待つこと自体がメリットになる場面もあると思っている。
置かなくていいものもある
もちろん、何でも先延ばしにする必要はない。
毎日使う消耗品や、期間が限られた大事な予約などは、迷っているうちに機会が過ぎてしまう。
金額が小さく、失敗しても取り返せるものなら、すぐ決めるほうが合理的だ。
大きな買い物や、普段と違う種類の買い物だけ、一晩置く。
そのくらいの線引きが、続けやすいのではないかと思う。
今日できる、小さな一歩
今、気になっているものがあるなら、ひとまずカートに入れたまま閉じてみるのはどうだろう。
明日の朝、もう一度だけ開いて、まだ欲しいかを確かめる。
それだけで、買い物の満足度は少し変わる気がする。
急がないことで得られる余裕も、案外悪くない。
自分のペースで決められる人は、静かに強いと僕は思っている。
――一ノ瀬 雅


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