眠る時間を、最初に確保しておく

眠る時間を、最初に確保しておく コラム

やることが多い週ほど、最初に削られるのは睡眠だと思う。

仕事も、付き合いも、趣味も、どれも削りにくい。

だから一番文句を言わない睡眠から、少しずつ時間を借りてしまう。

僕も以前は、そういう時間の作り方をしていた。

でも今は、寝る時間だけは先に確保してから、残りの予定を組むようにしている。

睡眠は「何もしていない時間」ではない

寝ている間は、何も生み出していないように見える。

起きていれば本が読めるし、作業も進むし、誰かと話すこともできる。

そう考えると、睡眠はもったいない時間に見えてくる。

ただ、僕は少し見方を変えた。

睡眠は、翌日の自分の性能を決める時間なんだと思う。

よく眠れた日は、判断が速い。

迷う時間が短くなるし、余計なことで苛立ちにくい。

逆に寝不足の日は、同じ作業に倍近い時間がかかることもある。

一時間削って一時間得をしたつもりが、翌日に二時間を失っているなら、それは損な取引だ。

削った分は、どこかで利子をつけて返すことになる

睡眠を削るのは、借金に似ていると思う。

一晩くらいなら、なんとかなる。

二晩、三晩と続くと、体のどこかに負債が溜まっていく。

集中が続かない、甘いものが欲しくなる、人の言葉に過敏になる。

そういう小さなサインは、たいてい利子の支払いなんだと思う。

しかもこの借金は、週末にまとめて寝ても、きれいに返しきれない気がする。

生活のリズムが崩れて、月曜の朝がかえって重くなるからだ。

だから僕は、借りないことのほうを優先している。

先に「寝る時刻」を予定表に入れる

具体的にやっていることは、そんなに多くない。

まず、寝る時刻を予定の一つとして扱う。

会議や約束と同じように、そこから逆算して夜の過ごし方を決める。

次に、寝る前の一時間には、新しいことを始めないようにしている。

返信が必要な連絡や、考え込む作業は、翌朝の頭が冴えている時間に回す。

夜に悩んだことの多くは、朝になると意外とあっさり片づくものだと思う。

それから、寝具や部屋の環境には、多少お金をかけてもいいと考えている。

人生の三分の一近くを過ごす場所なら、そこへの投資は回収しやすいはずだ。

「頑張っている感」に流されない

夜遅くまで起きて何かをしていると、頑張っている気分にはなれる。

でも、気分と成果は別物だ。

眠い頭で三時間粘るより、しっかり寝て朝に一時間集中したほうが、進むことは多い。

僕が大事にしたいのは、努力した量より、手元に残った結果のほうだ。

そう考えると、睡眠を削らないことは、怠けではなく合理的な選択だと思える。

もちろん、どうしても寝られない夜や、無理をしたほうがいい場面もある。

そういう日まで否定するつもりはない。

ただ、それを「普段のやり方」にしないことが大切なんだと思う。

まとめ

時間が足りないと感じたとき、睡眠は一番手軽な財布に見える。

でも実際には、そこから抜いたお金は、翌日の自分が高い利子をつけて払うことになる。

だから僕は、寝る時間を最初に確保して、残りで一日を組み立てている。

今夜はいつもより三十分だけ早く布団に入ってみるのも、悪くない気がする。

明日の自分が、少し身軽になっているかもしれない。

――一ノ瀬 雅

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